心が砕けてしてしまった。

大切にしていた願いが

裏切られて、地に投げつけられた。

みじめで、くやしくて、何より怖くて。

表情を失った私は、まるで死人のようだ。

人が怖い。この世界が怖い。

私の居場所はどこにあるのだろう。

辺りを見回して思う。

いや、初めからなかったのか?



きのう、変わった夢を見た。

繰り返すなじみの悪夢ではなかった。

誰かの、大きな手が、わたしのみぞおちから

入っていった。

昔流行ったサイババのようだ。

インチキ手術でもするのか?

夢なのにおかしくなって、笑いながらこう言った。

「ならばいっそのこと、殺してください。

生きているのが辛すぎる」

その手は、何も言わなかったが、

ゆっくりと当然のように、

でも礼儀正しく、私の内臓に触れ始めた。

その手は、ただただ、暖かかった。

するとどうだろう。

溶け始めている。

私が。

そうだったのか。

時間の氷の中にいることすら 知らなかった。

少しずつ、体温が戻ってくるのを感じながら、

思い出したように辺りを見回して、

一つ一つの破片を拾い集めた。

良く分からなかったけれども、あの大きな手が

何とかしてくれるだろうと思えたのだ。

わたしは、安堵のためいきをついた。